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第8回 パーソナリティースタイル(3)

 今回もパーソナリティー・スタイルの続きです。今回取り上げるのは、「強迫スタイル」。強迫という言葉はなかなか聴きなれない言葉ですが、規律正しさや几帳面さ、頑固さ、倹約などの性質に関係するスタイルです。
このスタイルは、どのように人格の中に形成されるのでしょうか。

 心理学では、このような、ものごとをきっちりと着々と進める性質、能力は、トイレット・トレーニングの中で発達すると考えられています。乳幼児は、トイレット・トレーニングを始めるまで、好きなときにお乳を要求し、好きなときに眠り、好きなときに排泄し、好きなときに大好きな母を呼ぶ…というように、母親や養育者によって自分の欲求の多くはすぐに満たされるという生活をしています。

 それが、トイレット・トレーニングが始まると一転して、自分の身体や欲求をコントロールするということを学ぶようになります。自分が身体をコントロールし、排泄すべきときまで待ち、排泄すべき場所で排泄することを学ぶ。そしてそうすると母親に褒められる。そして自分自身も喜びを感じる。それを繰り返す中で、自分の身体や欲求をコントロールすることに喜びと安心を感じられることを身につけ、そしてそうすることを一緒に見守り、喜んでくれる重要な他者の存在を感じるようになる。ですから、これは、自分自身の欲求の取り扱いと、人との関係の取り扱いの両方の接点となるものであり、それを自分のものとしていく中で、非常に重要な時期なのです。そしてそれが強迫スタイルの始まりです。

 このスタイルは、度が過ぎると堅苦しかったり、強情だったり、けちだったり、融通がきかなかったり、ということにもなります。このような性質とどうしてトイレット・トレーニングが関係するのか、みなさんは検討がつくでしょうか? トイレット・トレーニングというのは、物でも、考えでも、気持ちでも、衝動でも、なんでも出し入れするときの感覚に関係し、さらに、自分の内と外、枠組み(便器やおまる、ひいてはルールや規律など)の内と外、溜めることと出すことといったことに関係するからです。
度が過ぎる場合には厄介に感じられることもありますが、強迫スタイルなしに、ものごとを生産したり、達成したりすることはできません。その適切さを学ぶ根源となるのがトイレット・トレーニングなのです。

 最近では、「子どもが気持ち悪がるまで、かわいそうだからオシメはとらない」「オシメのほうが手がかからないからできるだけ長く…」などというお母さんたちの言葉を耳にすることもあります。確かにトイレット・トレーニングというのは、母親にとっても子どもにとっても一大作業で、大変手のかかることです。だからこそ、ぜひぜひ、このトレーニングを通じての母と子のコミュニケーションを楽しんでください。

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