第7回 パーソナリティースタイル(2)
前回は、パーソナリティ・スタイルについて概観しました。今回からはそのうちのいくつかのスタイルをとりあげ、それらのスタイルが形作られる仕組みをご説明しましょう。それぞれのスタイルの仕組みを理解することで、もう少し、この理論のことが掴めればと思います。
さて、今回とりあげるのは、依存スタイルです。依存スタイルというと、どんなイメージが浮かびますか?
人に頼って甘えて…一人では生きていけない、弱弱しいネガティブなイメージでしょうか。それとも「成熟した大人の依存」が浮かぶでしょうか。
まずはこの依存スタイルが形成される仕組みをご説明しましょう。
人が育つ、心が育つ、性格が形成される、その仕組みはそんなに難しい複雑なものではありません。人には言うまでもなく生まれつきの素質があります。素質を持って生まれてくる私たちは、何の保護もなければ当然死んでしまうのですけれど、母親もしくはそれに代わる人に守られお乳をもらって育てられます。人生の最早期のそんな時期から、私たちの性格は持って生まれた素質の上に育ち始めるのです。そして、依存スタイルは、この最も早期の時期に人が自分の人格に備えるスタイルです。いわば、他のスタイルの最も基底に存在していると言っても過言ではないでしょう。ですから、このスタイルはとっても重要なスタイルです。
人は、乳幼児の時期に、身体ケアによる安心感、暖かさ、そして空腹を満たす授乳…これらによる養育者との関係によって、子どもは文字通り、心の安心感や温かさや欲求の満足感を体験します。この体験が、人が人を信頼すること、人との間で安心感を得ること、そして自分を信頼すること、自分に安心感を持つこと、人の助けを得ること、それを安心して自分を傷つけることなく求められること、そんなパーソナリティの基底を作るのです。
赤ん坊がむずかる、おしめが濡れて気持ちが悪い、おなかがすいてお乳が欲しい。赤ん坊に心地よさを与えたい母親がおしめを替える。お乳を飲ませる。そのタイミングがよければ赤ん坊は、欲求が満たされ安心感と充足感を得られます。その体験が重ねられると、そこに信頼感も生まれます。母親に対する信頼感が生まれれば、その関係及びその場への信頼感が育ちます。それは自分を取り囲む環境世界への信頼感へと発展します。世界への信頼感が持て、信頼できる安定した世界に自分がいることが認識されると、自分の安定感に自身が持てるようになり、自分への信頼すなわち自己信頼感が育つのです。
このように、単純化すれば授乳パターンあるいは親の養育パターンによって子供が反応する安心感やその反対の不安感がどのように赤ん坊の中に残り根付くかによって、人のパーソナリティが定まってくるのです。ただし、ここで誤解しないでいただきたいのは、人のパーソナリティーがこんな幼いときの育ちによってのみ決定されてしまう、というものではないことです。
最初に、「成熟した大人の依存」という言葉を使いました。依存スタイルは基底的なスタイルだけに、未熟から成熟まで非常に幅広いものです。
「成熟した依存」というイメージを、みなさんどこまで豊かに描くことができるでしょうか?
ーつづくー
パーソナリティースタイルテストのページはこちら http://www.sporction.com/psycho01.html