第6回 パーソナリティースタイル(1)
性格は変化するもの?
心理学を仕事としていると必ずと言ってよいほどたくさんの人に「性格は変えられますか?」というふうに聞かれます。また、「あの人は几帳面だ」「のんびりしている」「男っぽい」などなど、私たちは昔から、人の態度や行動について、何らかの特徴やパターンを取り出したくなるようです。紀元前3世紀から「性格」について書かれた文献がありますが、人の「性格」に対する興味は今も昔も変わらず根強いもののようですね。ですので、今回は性格に関するお話です。
性格とは、簡単に言ってしまえば、心の様々な動きの癖やパターンをさす言葉と言ってよいかと思います。これまで怒りや覇気といった心の本能的なエネルギーについてお話してきましたが、心にはそのエネルギーをマネイジ(経営)する部分があり、そのマネイジメントの癖やパターンが性格として捉えられるわけです。
その癖やパターンを捉える見方や方法はいろいろに開発されていますが、ここでは、ミロンという心理学者の作ったパーソナリティ・スタイル理論を簡単にご紹介しましょう。
これは、個人の性格を、「状況によって変化しない固定的な本質と考えられる特徴」を意味するものとして捉えるのではなく、「状況によって変化する機能的なもの」として捉える理論です。少し難しい話になりましたが、要するに、性格というものは変化するもので、その変化するところを捉えることがなかなか難しいことだったのです。たとえば、「外向的か?内向的か?」といったように性格を捉えることがよくありますね。ちょっと考えてみると、「どういう状況にいて、前後にどういうことがあって、どういう人といて、どんな気分でいて…」といった様々な要因によって、自分が外向的であるときも内向的であるときもいろいろにありませんか?
このパーソナリティ・スタイル理論では、その変化そのものにパターンや特徴があるという視点から作られています。ここまでを読んでいただいて、ご理解いただけたでしょうか?関心を持たれたでしょうか?
簡単に言うと、この理論では、「ものの見方」「ものの感じ方」「行動の仕方」それぞれの動きの特徴の組み合わせから、わかりやすく目立つものとして8つのパーソナリティ・スタイルとして整理します。
たとえばここまでを読んで、この理論をどう見たでしょうか?どんな感じをもたれたでしょうか?これを書いている私に対して、どんな行動をとろうとするでしょうか?
「私には関係ない」という感じですか?
「とても頼りがいのありそうな理論だ」と思いますか?
「自分に使う価値がありそうな理論だ」と思いますか?
「完全なものだろうか」と疑問をもたれますか?
こういった動きが「ものの見方」の例です。
「気持ちが動かない」と感じますか?
「なんだか恐ろしい」と感じますか?
「攻撃的」な気持ちになりますか?
「なんかよくわからないけど刺激的!」なんて思いますか?
こういった動きが「ものの感じ方」の例です。
「とりあえず今後のコラムを観察」しますか?
「よくわからないからもう読むことやめ」ますか?
「遠慮なく自分の考えを言い」ますか?
「とにかく正確に理解しよう」としますか?
こういった動きが「行動の仕方」の例です。
ところで、こんなふうに自分の「心」の動きを見ること、追いかけること、言葉にしてみること、皆さんはどれくらいしているでしょうか。関心があるでしょうか。
なかなか複雑な理論でもあるので、今回のコラムはここまでにします。
次回からは少し具体的にパーソナリティ・スタイル理論を「使って」みましょう。
その前に少し、今回のコラムを読んだところで、自分の中に起こる「心の動き」に注目してみてください。きっと理論を知ることがもっと面白くなるはずです。
つづく
パーソナリティースタイルテストのページはこちら http://www.sporction.com/psycho01.html
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